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障害のある労働者のためのクレーン運転資格などの取得に向けた支援

株式会社キトー

安全衛生教育・すべての障害

改善前の状況

 クレーン運転、玉掛け作業、フォークリフト運転などに関する資格を必要とする作業が多いが、これまでは、安全面に配慮し障害のある社員が資格の必要な作業を担当することは避けていた。しかし、職域拡大の観点と、障害のある社員からの資格取得の希望があることから、安全面を考慮しながら資格取得を進める必要があった。

改善策

 人事担当、所属長、安全衛生担当者が連携し、クレーンやフォークリフトの資格取得に向け社内の独自基準を設け、一定期間をかけて「適性確認シート」での評価を行い、適性などを十分に評価した上で外部の講習に参加させることとした。安全面には十分に配慮し、本人が希望しても客観的にリスクが高いと思われる場合には個別に相談するなどの対応を取っている。
 講習参加の際には、実施者と調整し、UDトークとマイクの持ち込み、手話通訳の配置など、障害に応じた配慮を得られるようにしている。
 なお、資格によっては自社内で講習を行うことが可能であるが、どのような環境でも力を発揮できることを目指し、あえて外部講習を受講することとしている。

資格取得に向けた外部講習の受講場面

聴覚障害のある社員の受講に際しては、講習実施機関の許可を得て、会社がタブレット、専用マイクを持参し、UDトークを使用して受講した。

改善後の効果

令和2年4月末までに6名がクレーン・玉掛け資格を取得済みで、2名が適性確認中。資格取得者の希望等も確認しながら、安全第一で資格を活かした業務に配置している。その際にはそれぞれの障害状況に十分な配慮をすることにより、本人は安心して仕事に取り組むことができ、職域拡大にもつながっている。
「適性確認シート」を活用した評価方法は社内の制度として位置づけ、社内の経験を踏まえオリジナルに基準を設け、客観的で公平な運用としている。

社員の声 

山本 敏明 さん

「資格の取得についてチャレンジできることは、モチベーションのアップにもつながりました。外部講習の受講にあたり、講師の口話の読み取りだけでは不安でしたが、UDトークを利用することにより得られる情報量が増えたと思います。技能講習などは大変でしたが、無事に資格を取得することができ、安全に気を付けて業務で利用しています。」