障害者の労働安全衛生対策
労働安全衛生法(概要は下記リンク参照)では、労働者の安全と健康の確保のために様々なことが義務付けられています。職場において労働安全衛生を推進していくためには、「事業場における安全衛生管理体制の確立」や「事業場における労働災害防止のための具体的措置の実施」などがポイントとなりますが、障害者を雇用する企業においては、障害ごとに配慮すべき点があります。
これらに関する様々な対策を講じている企業の取組を紹介します。

社屋を取り巻く傾斜の緩やかなスロープ(株式会社ニッセイ・ニュークリエーション)
(注)「取組テーマ別」「障害種別」に分類しています。
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取組テーマ別タイトル
安全衛生活動への参加
企業において安全衛生管理体制を確立するにあたって、通常の対策では障害者にとって危険予知等が困難になる場合もあり得ることから、障害のある労働者の声も反映させながら、安全衛生活動を進めていくことが重要です。
安全衛生教育
障害のある労働者が安心・安全に仕事するためには、障害特性に配慮した安全衛生教育を行い、労働者自身も安全衛生活動に取り組むことが重要です。
安全管理
職場における安全面の対策として、職場内における危険を未然に防ぐための設備や作業方法の改善・整備、通勤時・緊急時の対応や防災のための対策を障害特性に応じて講じることが重要です。
衛生管理
職場において労働衛生面の対策を講じるにあたっては、障害のある労働者は様々な理由から不安が生じやすくなる場合があることを踏まえ、健康面やメンタル面などについて配慮を行うことが重要です。
障害種別タイトル
取組テーマ別
安全衛生活動への参加
- 障害のある労働者主体の安全・衛生・健康等に関する委員会活動の実施
- 障害のある労働者が改善活動に参加し、オリジナルのピクトグラム・分析シートを使って改善点を考える
- 障がいのある労働者の声を反映した安全衛生活動
- 全ての労働者がヒヤリハットを提出し安全活動へ参加する取組
- 障がいのある労働者の声も反映させながら安全衛生活動への参加
安全衛生教育
- 労働者がセルフケアに取り組むことができるようになるための研修の実施
- 労働者が健康を維持し、安定した生活を送れるようにするための研修の実施
- 知的障害のある労働者に対する通勤にふさわしい靴を理解してもらうための教育
- 知的障害のある労働者に対する安全教育の工夫、労働者の声を聞いた事故防止のための対策
- 「生活リズムの整え方」「体調の管理方法」などのフォロー研修の実施
- 障害のある労働者のためのクレーン運転資格などの取得に向けた支援
- 聴覚障害のある労働者のための就労支援機器を活用したコミュニケーション支援
- 内部障害のある労働者が安心して働けるようにするための特性理解の社内研修
労働災害防止対策(視覚障害・聴覚障害のある労働者)
- 視覚障害のある労働者が安全に移動するための進行方向を示すライトの設置
- 視覚障害のある労働者が安全に移動するための床面の配色の配慮
- 視覚障害のある労働者の通路確保のためのカーペットの配色の配慮
- 聴覚障害のある労働者のための光学的サインやライトの活用
- 通路のミラーの設置やコミュニケーション機器の活用などにより聴覚障がいのある労働者に対する安全面の配慮を実施
労働災害防止対策(視覚障害・聴覚障害のある労働者以外)
- 指さし確認を徹底するための工夫を行い、転倒事故防止
- 荷物運搬時の安全を見直し、安心して働ける職場環境を整備
- ヒヤリマップの使用による通勤時の安全確保
- 自転車運用基準書の制定や講習会の実施による自転車利用時の安全確保
- 製品のあるなしが一目でわかるように改善「くるりんぱ」
- ドリルの刃を安全に取りやすくするための改善「ドリルとれるんで」
- 職場の安全のために労働者の精神面の安定を重視した取組
- 荷物用昇降機の開閉口に手を挟まないように、助成金を活用して設備を改善
- 左手の機能の低下が見られる労働者が安心・安全に作業を行うために自動機を改良した取組
- 障害特性に対応した独自のリスクアセスメントの実施
- 送迎バスの導入と公共交通機関の利用に関する社内研修を通じた通勤時の安全対策
- 台車の鈴の音による荷物運搬中の衝突防止対策
- カッターの扱いが苦手な労働者のケガ防止対策
災害発生時に対応するための社内体制
災害発生時における救急・避難等の対応
- イラスト、メッセージが表示されるAEDの活用
- 救急救命講習会の充実による緊急時の対応の理解促進
- 聴覚障害のある労働者のための光警報装置の活用
- 聴覚障害のある労働者を確実に避難誘導させるための仕組みづくり
- 日頃の目配りと避難体制の見直しによる避難時の安全確保の取組
- 蓄光テープを使用した停電時の危険回避対策
健康保持・体調管理等の取組
- 自社の健康課題を把握・分析し、全労働者の健康の保持・増進を目標とした全社的な取組
- 労働者同士の相互確認による毎日の体調管理
- 視覚障害のある労働者のために明かりをさえぎって、まぶしさを軽減
- 体調チェックシートの活用、効果的な休憩の取り方などの配慮により、精神障害のある労働者の継続雇用につなげた取組
- 体調管理ツール「つなぐログ」を活用した労働者の健康保持のための取組
メンタルヘルスケア対策
- 面談記録票を活用したメンタルヘルスケア対策
- リフレッシュするための休憩、食事等を一人でとれるスペースの整備
- 障害に配慮した休憩場所等の設置や休暇制度の変更
- ストレス軽減のための指示の伝え方
- 安心して接客に取り組むために接客用語を変更
- 通院や家庭環境などを考慮し、勤務制度を変更
- 精神障害のある労働者への声かけや褒めることの徹底、マニュアルの活用により、安心できる仕事につなげた取組
- 3S活動(整理、整頓、清掃)の成果を踏まえた安心して働ける職場作り
- 障害のある労働者が安心して働けるようにするために社内体制の整備や従事する業務の設定等を行った取組
- 障害のある労働者に対する定期面談によるメンタルヘルスケア対策
- パーティションの設置による休憩室や作業環境におけるストレス軽減の取組
- 障害のある労働者の定着支援を担う専門組織を発足し支援体制を構築
- 障害のある労働者が相互理解を深め、安心して働けるようにするためのミーティングの実施
- 個別相談、自己紹介カードの作成、本人にあった職場環境の改善など、安心して働くための配慮を実施
健康診断
熱中症対策
障害種別
肢体不自由
視覚障害
- 視覚障害のある労働者が安全に移動するための進行方向を示すライトの設置
- 視覚障害のある労働者が安全に移動するための床面の配色の配慮
- 視覚障害のある労働者の通路確保のためのカーペットの配色の配慮
- 視覚障害のある労働者のために明かりをさえぎって、まぶしさを軽減
聴覚障害
- イラスト、メッセージが表示されるAEDの活用
- 聴覚障害のある労働者のための光警報装置の活用
- 聴覚障害のある労働者のための就労支援機器を活用したコミュニケーション支援
- 救急救命講習会の充実による緊急時の対応の理解促進
- 聴覚障害のある労働者を確実に避難誘導させるための仕組みづくり
- 聴覚障害のある労働者のための光学的なサインやライトの活用
- 健康診断における手話通訳者の活用
- 通路のミラーの設置やコミュニケーション機器の活用などにより聴覚障がいのある労働者に対する安全面の配慮を実施
内部障害
知的障害
- 指さし確認を徹底するための工夫を行い、転倒事故防止
- 体調チェックや熱中症指標計の装着による屋外作業
- 「生活リズムの整え方」「体調の管理方法」などのフォロー研修の実施
- 労働者同士の相互確認による毎日の体調管理
- 知的障害のある労働者に対する通勤にふさわしい靴を理解してもらうための教育
- 知的障害のある労働者に対する安全教育の工夫、労働者の声を聞いた事故防止のための対策
- 産業医と常駐看護師との連携
- 障害のある労働者が改善活動に参加し、オリジナルのピクトグラム・分析シートを使って改善点を考える
- 製品のあるなしが一目でわかるように改善「くるりんぱ」
- ドリルの刃を安全に取りやすくするための改善「ドリルとれるんで」
精神障害
- リフレッシュするための休憩、食事等を一人でとれるスペースの整備
- 障害のある労働者が改善活動に参加し、オリジナルのピクトグラム・分析シートを使って改善点を考える
- 製品のあるなしが一目でわかるように改善「くるりんぱ」
- ドリルの刃を安全に取りやすくするための改善「ドリルとれるんで」
- 精神障害のある労働者への声かけや褒めることの徹底、マニュアルの活用により、安心できる仕事につなげた取組
- 体調チェックシートの活用、効果的な休憩の取り方などの配慮により、精神障害のある労働者の継続雇用につなげた取組
- 障害のある労働者に対する定期面談によるメンタルヘルスケア対策
- パーティションの設置による休憩室や作業環境におけるストレス軽減の取組
- 体調管理ツール「つなぐログ」を活用した労働者の健康保持のための取組
発達障害
- リフレッシュするための休憩、食事等を一人でとれるスペースの整備
- ストレス軽減のための指示の伝え方
- 安心して接客に取り組むために接客用語を変更
- 3S活動(整理、整頓、清掃)の成果を踏まえた安心して働ける職場作り
- パーティションの設置による休憩室や作業環境におけるストレス軽減の取組
すべての障害
- 障害のある労働者主体の安全・衛生・健康等に関する委員会活動の実施
- 自社の健康課題を把握・分析し、全労働者の健康の保持・増進を目標とした全社的な取組
- 災害時の安心・安全向上に向けたプロジェクトチームの設置・対策の実践
- 面談記録票を活用したメンタルヘルスケア対策
- 労働者がセルフケアに取り組むことができるようになるための研修の実施
- 労働者が健康を維持し、安定した生活を送れるようにするための研修の実施
- 通院や家庭環境などを考慮し、勤務制度を変更
- 荷物運搬時の安全を見直し、安心して働ける職場環境を整備
- 障害のある労働者のためのクレーン運転資格などの取得に向けた支援
- 障害に配慮した休憩場所等の設置や休暇制度の変更
- ヒヤリマップの使用による通勤時の安全確保
- 自転車運用基準書の制定や講習会の実施による自転車利用時の安全確保
- 職場の安全のために労働者の精神面の安定を重視した取組
- 荷物用昇降機の開閉口に手を挟まないように、助成金を活用して設備を改善
- 障害のある労働者が安心して働けるようにするために社内体制の整備や従事する業務の設定等を行った取組
- 障がいのある労働者の声を反映した安全衛生活動
- 全ての労働者がヒヤリハットを提出し安全活動へ参加する取組
- 障害特性に対応した独自のリスクアセスメントの実施
- 送迎バスの導入と公共交通機関の利用に関する社内研修を通じた通勤時の安全対策
- 障害のある労働者の定着支援を担う専門組織を発足し支援体制を構築
- 障害のある労働者が相互理解を深め、安心して働けるようにするためのミーティングの実施
- 障がいのある労働者の声も反映させながら安全衛生活動への参加
- 個別相談、自己紹介カードの作成、本人にあった職場環境の改善など、安心して働くための配慮を実施
- 台車の鈴の音による荷物運搬中の衝突防止対策
- カッターの扱いが苦手な労働者のケガ防止対策
- 蓄光テープを使用した停電時の危険回避対策
障害者の労働安全衛生対策に関する参考資料
「障害者の労働安全衛生対策」の検討・実施に当たっては、障害者への合理的配慮や一般的な労働安全衛生対策の取組が参考となります。
以下のリンク先もご参照ください。