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障害のある労働者が改善活動に参加し、オリジナルのピクトグラム・分析シートを使って改善点を考える

株式会社キョウセイ

安全衛生活動への参加・知的障害・精神障害

改善前の状況

健常者主体で職場改善活動を進めたが、実際に作業をする障害のある社員にとってはわかりにくく、使いにくい改善内容であり、作業をする社員のことを考えた改善とはいえなかった。

改善策

障害のある社員が改善活動に参画することが重要と考え、「みどりの活動」(※)を立ち上げ、
工場にある「危ない」「やりにくい」「悩む」などの問題点を見つけ、改善することとした。
(※みどりは「みんなで」「どんどん」「りそうを目指す」の頭文字)
障害のある社員が改善活動に参画するため、次のような工夫を凝らした。
1.改善活動の前に、活動の目的や活動の進め方、問題のある作業とは何かなどを理解してもらうため、勉強会を開催。
2.障害のある社員にも、職場の「重い」作業、「まぶしい」場所などの問題をより見つけやすくするために、オリジナルのピクトグラムを作成し、言語データと併用した。
3.問題点を深掘りできるように、ピクトグラムとオリジナルの分析シート「だからシート」「だからボード」を使い、問題の真因を自分たちで見つけられるようにした。
4.見つけた問題は工場内問題マップに示し、改善されれば改善マップに移す。改善後の効果はニコニコ評価を使い、実際に作業している人に評価してもらい、「すごい良い」になるまで改善することで充実感、達成感を感じてもらうようにした。

キョウセイのオリジナルのピクトグラム

「だからシート」「だからボード」

工場内問題マップと改善マップ

ニコニコ評価

改善後の効果

職場の問題点として101件が指摘された。そのうち30件改善した(具体的な改善の取組は以下のリンク参照)。

「ピクトグラム」「だからシート」等のおかげで、障害のある社員が、職場の危険箇所などの問題点を指摘したり、改善を考えたりしやすくなった。また、障害のある社員自らで何が問題かを考えて改善し、使う人が評価してくれることで、改善の実効性が向上した。
改善活動では、提案書を作成し、活動状況を他の社員の前で発表することを定期的に行っている。これにより、障害のある社員が他人の話を聴きメモを取る、自分の考えを文章で書き、人前で伝えることができるようになり、大きく成長してくれていることが最大の効果となっている。