本文へ
現在位置:

障害のある労働者が安心して働けるようにするために社内体制の整備や従事する業務の設定等を行った取組

株式会社ティエラコム

メンタルヘルスケア・すべての障害

改善前の状況

 企業として全社的に障害のある社員を雇用し、障害のある社員が安心して働くことができるようにするために、社内支援体制を整え、支援方法も確立していく必要があった。

改善策

〇社内支援体制の整備  
・社内支援体制の整備や支援方法に関する情報収集のために、障害者雇用に関する各種セミナーや障害者職業生活相談員資格認定講習等へ積極的に参加した。
・現在社内における主な支援者(障害者職業生活相談員)を固定しているが、障害のある社員にとっては、シンボル的な存在となっており、気軽に相談できる体制を作っている。

〇障害のある社員が従事する業務
 障害のある社員は人事部内のダイバーシティ推進センターに配属しバックオフィス業務に従事している。
 障害のある社員が持っている力を発揮し、疲労を軽減しながら安定して仕事に従事できるようにするため、単調な仕事だけが続かないように様々な仕事を用意しつつ、過重な負担とならないように配慮した。
 また、入社時は本人の希望を聞き取った上で、希望する仕事に従事してもらうこととしている。勤務を続ける中で、過去に経験のある専門的な仕事にも携わりたいという申し出があれば、本人と相談し体調面等を考慮した上で当該業務に従事してもらったケースもある。個々の職歴の中で負の体験がある場合が多いので、その点について最大限配慮しつつも、できるだけ社員が自身の経験を活かし、やりがいを持てるような仕事の設定を心掛けている。

〇在宅勤務
 令和2年度のコロナ禍をきっかけにして、在宅勤務を取り入れており、身体障害のある社員や精神障害のある社員についても入力業務やシステム関連の業務のリモート化を図った。
 在宅勤務時は、社員とチャット形式での業務報告を行うようにしており、始業・終業の連絡時に体調面についての相談も併せて行っている。体調面の不安が大きい時は電話で相談を受け、体調を崩さないよう業務を調整している。

〇その他障害特性等に応じた取組
・周囲の音が気になる社員については、雑音を消す音をイヤホンで聞くことを認め、集中して仕事できるようにした。
・基本的には9時始業のところ、希望者は通勤ラッシュの時間帯を外した時差出勤を可とし、仕事の締め切りについてはなるべく余裕を持たせた日時に設定し、心理的負担を軽減している。
・車いす使用の社員のために、引き出しのないタイプの机を用意した。もともとバリアフリー化された職場環境だったが、ビルの管理会社に相談して、トイレの外扉をなくし、更に便利な環境を準備した。
・高層ビルの19階にオフィスがあるが、緊急時には即移動できるように、車いす使用の社員は事務所の出入口に近い場所に座席を配置している。ビル全体の避難訓練においては、災害発生時の対応ルールに従って対応できるように周囲の社員がサポートできるようにするなど、車いす使用の社員が安心できるように配慮した。

(注)精神障害のある社員に対する具体的な取組は以下のリンクをご参照下さい。

改善後の効果

 平成28年度以前は身体障害のある社員を中心に雇用してきたが、平成28年度より精神障害のある社員を雇用していくことに併せて社内支援体制等を整えることができ、社員が安心して仕事に取り組めるようになった。また、障害のある社員には各種業務の中から本人に適した業務を割り振ったことで、本人たちにやりがいを感じてもらえるようになった。
 障害のある社員に対する支援の取組は、当初、人事部での情報共有にとどめることが多かったが、令和2年4月に、障害者雇用の専門部署としてダイバーシティ推進センターを立ち上げ、現在は当該社員の同意を得た上で他の部署とも情報を共有し、社内に活躍の場が広がっている。

企業の声

支援担当者  寺崎 千典さん

「職場では、障害のある社員それぞれの座席が近く、気軽に体調の話をしたり、お互いの状況を理解し合えるという良い関係性が築けています。また、社員募集の際、障害のある社員が複数在籍していることは、応募者にとって心強いようです。
 なお、これまでの支援方法等については、これで良いとは考えておらず、今後もそれぞれの特性に合わせて社員が安心して働けるように、社内支援体制の整備、社内における支援方法の充実を図っていきたいと考えています。」