障害のある労働者の定着支援を担う専門組織を発足し支援体制を構築

NTTクラルティ株式会社

メンタルヘルス・すべての障害

改善前の状況

・本社に加え、全国に6か所の事業所を展開しており、社員の定着支援業務は本社に在籍する人事担当が兼務していた。
・障害者雇用の進展とともに、各事業所では身体障害者や内部障害者に加えて精神障害者の採用が増加したが、人事担当のみでは
 全事業所の定着支援をカバーすることが難しくなった。
・特に精神障害のある社員の対応に関する専門知識や経験を持つ社員が不足していたほか、支援を通じて課題解決ができたとしても、
 全社的な情報共有や事例の蓄積につながっていなかった。

改善策

1 障害のある社員の定着支援を担う専門組織「定着支援担当」の発足

・社員の定着支援を担う専門組織として、専門資格を持つ社員を配置した「定着支援担当」を発足し、定着支援体制を構築した
・定着支援担当は、事業所毎に割り振りを決め、全事業所の社員をもれなく支援できる体制を整えた。

定着支援面談体制

2 定着支援の内容

○定期面談の実施
・全社員:入社1週間後、定着支援コーディネーターが全社員と面談を行う。
・精神障害のある社員:入社後半年から1年までの間、月1回の定期面談を行う。職場定着上の課題や個々の必要性に応じて、
 面談期間を延長する。
○社内外関係者との連携
・面談の内容に応じて、社内の関係者(産業医、保健師、上長、企業在籍型ジョブコーチ、障害者職業生活相談員)や社外の関係者
(主治医、支援機関)と連携する。
○社員の相談窓口の設置
・全社員が相談できる窓口として「つなぐ相談室」を設置。全事業所からの相談を定着支援コーディネーターが受けている。

3 障害者雇用に関する啓発

・管理者研修の実施:全管理者を対象に、グループワーク(事例検討)を中心とした研修を実施(年1回)
・「障がい理解研修」の実施:全社員を対象に、障害特性や配慮が必要なこと等を相互に理解するための研修を実施(年1回)

【精神障害のある社員に対する面談・定着支援時の工夫】
 ○体調を記録する体調管理ツール「つなぐログ」を導入。体調や疲労度合い、対処行動等を毎日記録してもらい、
 定期面談時に定着支援コーディネーターと社員が一緒に振り返りを行うことで、社員自身が体調の波や不調のサインに
 気づき対処行動を取ることができるようにしている。
 ○面談時には面談の目的を踏まえて解決したい課題及び目標設定を行い具体的に取り組むことにより、
 面談期間が長期化しないように留意している。
 ○定着支援担当からのアドバイスだけではなく、社員自身が考えて解決策を導き出せるような関わりを意識している。

 (注)体調管理ツール「つなぐログ」を使用した定着支援の取組は以下のリンクをご参照ください。

改善後の効果

①定期面談を中心とした支援体制により、社員を中心に職場と支援機関がそれぞれの役割を担い連携し、効果的な支援を行うことが
 できている。
②入社1週間後に全社員との面談を行うことで、課題や懸案事項を早期に発見し、その後の支援の方向性を決めることができている。
 また、定着支援コーディネーターと顔の見える関係があることで、何かあったときには「つなぐ相談室」に気軽に相談できている。
 障害のある社員本人だけではなく、上司や同僚からの相談も受けており、職場内で問題を抱え込むことを防いでいる。
③障害の有無や障害種別、雇用形態に関わらずお互いを尊重し合いながら働く意識が醸成され、
 社員一人ひとりが安心感を持って働くことができている。