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障がいのある労働者の声を反映した安全衛生活動

ウシオ電機株式会社

安全衛生活動への参加・すべての障害

改善前の状況

 以前から聴覚障がいのある方を中心に障がい者を雇用してきたが、障がい者雇用が増える中、さらなる職場の安全衛生向上のために、今まで以上に障がいのある社員の悩みや困りごとを知り、企業としての活動の方向性の確立や支援体制の構築を行う必要があった。

改善策

〇2017年7月ダイバーシティプロジェクトを全社始動。この分科会の一つとして「障がい者雇用分科会」を発足。
 すでに聴覚障がいのある方を雇用していた播磨事業所の施策を強化し、他事業所へ定期的に情報発信・展開している。また、障がいのある社員への配慮事項や雇用マニュアル等の情報収集、他社事例の収集、関係機関との連携による取組等を進めた。
 プロジェクトの活動開始にあたって、まず取り組んだことは、各分科会の活動方針(ミッション)策定であり、障がい者雇用分科会としては、次のミッションを掲げ、全社的な活動に取り組んでいる。

<活動の方針「ミッション」の策定>
1.誰もが安心安全に、いきいきと働ける環境作り【モチベーションの向上】
2.互いが理解し、尊重し合える風土の醸成【すべての社員の意識の改善、理解の向上】
3.法定雇用率の達成と維持継続【社会で活動する使命を果たす】

ダイバーシティ推進プロジェクトの解説資料

〇障がいのある社員の声を反映した取組(安全面)
 障がいのある社員に対して年1回程度アンケートを実施し、困りごとや問題点を拾い上げるとともに、分科会メンバー内の障がいのある社員やその周囲の社員(上司や同僚など)の声も聞き、改善の方向性を検討している。

<アンケートの実施(例:聴覚障がいのある社員へのアンケート)>

<社員の声やアンケートの結果を踏まえて職場巡視>
 アンケートの結果を踏まえて職場を巡視し、優先順位をつけながら具体的な改善案を検討。

職場巡視の様子

<安全面に関する改善例>
〇ミラーの設置
 聴覚障がいのある社員からの「見通しがわるい階段を降りたり昇ったりする際に、足音に気づかず、ぶつかりそうになることが多い」という声を踏まえ、通路にミラーを設置しヒヤリ・ハットを解消。

社内に設置したミラーの写真

聴覚障がいのある社員に対する取組の詳細は以下のリンクをご参照ください。

〇手すりの設置や駐車スペースの確保
 体が不自由な方が安全に移動できるように改善したほうがよいという社員の声を踏まえ、階段に手すりを設置し、車いす使用の社員のために駐車スペースを確保。

階段に設置した手すりの写真と車いす使用の社員のための駐車スペースの写真

改善後の効果

 障がいのある社員が安全活動に参加し、職場改善等につなげるような体制を整えることができたことで、職場内の安全意識が高まり、職場のKY(危険予知)活動に役に立っているとともに、これらの活動を通して、障がいのある社員の雇用についても社内の理解が深まってきたという効果が現れている。

担当者の声

NMさん、SKさん、KHさん

「障がい者雇用分科会、播磨事業所の三人組です。それぞれの背景は違えど『障がい者の役に立ちたい』との思いはだれにも負けない熱いハートを持っています。これまで4年間の活動で、色々な気づきや学びがあり、まだまだ分かっていないことだらけです。コロナ禍で活動の制約もありますが、ピンチをチャンスに変え、活動の幅と深さを広げていけるようがんばります。」

NMさん、SKさん、KHさんの写真