障がいのある労働者の声も反映させながら安全衛生活動への参加

株式会社旭化成アビリティ 延岡営業所

安全衛生活動への参加・すべての障害

改善前の状況

 1985年に特例子会社として設立以降、障がいのある社員を雇用してきた。法定雇用率引き上げにより採用数がさらに増加していることや、採用者の障がいも多岐にわたっていることなどにより、社内での業務指導(教育)や職場定着のための対応、社員同士のコミュニケーションなどについて困難さが出てきており、安全面や健康面、活き活きと働くための教育、環境づくりについても社内において整備していく必要があった。

(注)「安全衛生」関係は、以下「安全健康」と表記します。

改善策

 2017年10月に本社組織として「活き活き推進部」を創設し、それまで行っていた「安全」「健康」に「教育・研修」「職場環境改善」「レクリエーション」といった要素も加え、「社員一人ひとりの成長」や「組織の更なる発展」のために幅広く活動できるようにした。これらの活動は、お世話係(業務以外の定期面談、社員研修など)、各業務の担当者(インストラクター)が役割分担しながら行っている。
 また、毎月行っている安全衛生委員会や全体朝礼、毎日の朝礼の場を利用して、所長や所属長などから全社員に対し安全面や健康面に対する意識付けを行っている。

安全健康に関する活動

〇労働安全マネジメントプログラムの年間計画
 年間計画を立て、安全健康活動や活き活きと働ける職場づくりなどに関する社内研修などを実施している。
 年間計画の検討や振り返りには障がいのある社員も参加しており、当該社員の声も反映できるようにしている。

(研修内容の例)
・安全健康活動の研修:交通安全、車いすの扱い方、AED・救命講習、健康講話、飲酒運転防止などを行っている。
・活き活きと働ける職場づくりなどに関する研修:相手を思いやることや障害特性を理解することなどを取り入れた「おもいやり研修」、「ハラスメント研修」、働くことや働き続けるために必要な力を理解する「就労基礎研修」、外部講師を招いてのメンタルヘルス研修などを行っている。

外部講師による研修の様子

外部講師による研修

〇安全健康に関するアンケート
 社内で実施するアンケートや、経営幹部と社員が直接意見交換できる場として設けられた
「職場懇談会」にて、障害のある社員の「改善してほしい」という意見を収集し、職場改善につなげている。

例:肢体不自由の方にとって動きにくい床の凹凸やスロープを確認し、注意を促している。
また、会社として対応が必要なこと、社員一人ひとりが対応する必要があることなどを確認している。

〇障がい特性に応じた配慮
社内研修や教育などにおいて、知的に障がいのある社員に対しては説明文にイラスト・ふりがなを加えながら簡潔な内容に、聴覚に障がいのある社員に対してはUDトーク(音声を文字に変換)の使用や手話通訳士の協力を得て対応している。また、視覚に障がい(弱視)のある社員に対しては、個々の状態に応じて重要な点を補足しながら説明するなどの配慮を行っている。

UDトークの利用や手話通訳の実施

〇安全な機械操作などに関する指導
 各部署における機械操作などについては、安全な操作や行動ができる社員を業務の担当者として固定している。業務の担当者の増員などにおいては、作業内容や安全な作業の重要性を十分に理解したインストラクターが、障がいのある社員に対して確実に指導している。

(注)衛生面に関する対策の詳細は、以下のリンクをご参照ください。

改善後の効果

 障がいのある社員の声を反映しながら研修などの内容に盛り込んで実施できたことや、社長などからの安全健康面に関する講話が半期に1回行われるため、障がいのある社員にとっては、安全健康面の意識向上の効果が上がっている。また、活き活きとした職場づくりや働くための力などについて、入社時から継続的な研修を実施することにより、「安全健康に働く」という意識づけや環境整備につながっている。
 なお、他県の各営業所でも同様の取組があるが、月1回の各営業所の支援担当者との打合せ(オンライン含む)において、支援担当者による取組の状況や課題を共有しており、企業として障害のある社員への支援力向上などの相乗効果にもつながっている。

社員の声

活き活き推進担当 Yさん

「弊社では、労働安全健康や活き活きとした職場づくりについて、様々な研修・教育を取り入れています。入社時から継続的に研修を実施することで、定期的な振り返りができ、安全や健康についての意識を共有することに役立っていると思います。また、時には外部講師による研修も実施することで、新鮮な気づきや学びが得られる機会も多いと感じています。
他にも、社員と経営幹部が直接意見交換できる「職場懇談会」や営業所の垣根を越えて検討や相談できる「ケース検討会」など、会社全体で考え議論する場があることで、それぞれの意識の向上や相互理解、認識の共有につながっていると感じています。特に、「職場懇談会」では、以前は会社への希望が非常に多く挙げられていましたが、回を重ねることで会社として対応が必要なこと、個々に考え対応していく必要があることなどの認識を共有し、今ではとても建設的な意見交換ができています。
今後もすべての社員が安全・健康に活き活きと仕事ができるような環境づくりを行っていきたいと思います。」