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3.募集活動・社内支援の準備 (2)採用選考(面接)

Q 採用選考はどのような方法で実施したらよいでしょうか?また、採用面接時に特に配慮するべきことはありますか?

A 一般的な方法(面接・筆記試験など)で選考してよいでしょう。ただし、障害特性に応じた配慮を行い、障害者が安心して選考にのぞめるように配慮することが必要です。採用面接では、能力や意欲、協調性などを確認するとともに、職務遂行に関係する障害状況や職場での配慮事項についても確認しておくとよいでしょう。

 採用選考は各企業が一般的に行っている個人面接、筆記試験で実施してよいでしょう。また、事前に職場実習を実施した場合は、仕事の取組状況などを確認することも有効な方法の一つです。ただし、採用選考においては、個々の障害特性に応じた合理的配慮の提供が必要です。合理的配慮の指針では、採用試験など雇用する前の段階では、配慮してほしいことは障害者本人から申し出ることになっていますが、遠慮して言えない人もいますので、本人の同意を得ながら確認していくとよいでしょう。

採用選考時における障害ごとの配慮事例

視覚障害者
  • 試験場所まで公共交通機関を利用する場合は、経路やバリアフリーの状況を確認する。
  • 筆記試験の際に、情報機器(音声ソフト、点字など)を活用する。
  • 弱視者に対しては拡大読書器の使用を認める。試験用紙を拡大コピーする。
  • 読み取りに時間を要するので試験時間を長く設定する。
聴覚障害者
  • 面接では口話、手話、筆談のどの方法で面接するかあらかじめ確認しておく。
  • 説明がわかりやすい場所に席を設ける。
  • 説明事項を板書する。
  • 筆談対応のスタッフを配置する。
  • 手話通訳を配置する。
肢体不自由者
  • 試験場所まで公共交通機関を利用する場合は、経路やバリアフリーの状況を確認する。
  • 自家用車を使用する場合は駐車スペースを確保する。
  • 車いす使用者の場合は、試験場所のバリアフリーやトイレの状況を確認する。
  • 上肢障害や言語(発語)に障害がある場合は、面接・試験時間を長くするなど配慮する。
知的障害者
  • 職業能力だけでなく、生活習慣は整っているか、協調性があるかなども把握したほうがよい。
  • 本人との面接だけでは職務遂行能力、就職に対する態度や考えなどが把握しにくい面もあるため、面接には家族、支援機関の担当者、学校の担任教諭などの同席を得て、補足してもらうことも有効。
精神障害者・発達障害者
  • 緊張しやすい人に対しては緊張を解きほぐすような雰囲気を作る。
  • 職務遂行能力だけでなく、生活習慣は整っているか、協調性があるかなども把握したほうがよい。
  • 通院や服薬が必要な人はきちんとできているか、調子が悪くなった時に適切に主治医などに相談できるか、医療機関のサポートが受けられるかなども把握した方がよい。
  • 本人への面接に加えて、本人を支援している支援機関の担当者の同席を得て、障害特性や配慮事項などを把握することも有効。

採用面接時の留意点

 採用面接にあたっては、企業の担当者から「障害のことについて質問してもよいのだろうか?」などの声が聞かれます。障害に関する情報は個人情報の中でも特に取扱に注意を要するセンシティブ情報になりますから、必要以上の質問は控えるべきです。
 しかし、雇用した場合の担当業務を決めたり、雇用後に企業による支援や環境整備を行うためには、本人の状態を知っておくことが必要ですので、本人の同意を得た上で必要な情報を収集・確認することがよいでしょう。また、障害の種類や程度で採否を決めるべきではないことに留意して、面接を行うことも必要です。

<面接の具体的な進め方(例)>

 応募者(本人)は、求人票や企業のホームページなどだけでは、職務内容などについて十分にイメージしにくい場合もあるので、最初に企業側から「企業の概要、企業にはどんな仕事があるか、どんな仕事をしてもらいたいか」などを説明し、企業で働くことのイメージを高めてもらうことが大事です。その上で以下のことに留意し面接を進めます。
 ・慣れない場面で緊張しやすく、うまく質問に答えられない場合は、リラックスできるような言葉かけを行い、緊張を解くことから始める。
 ・面接を行う企業側の人数は多くならないようにし、質問者は極力1人にまとめる。
 ・必要に応じて家族、学校の先生、支援機関の担当者などを同席させる。
 ・障害状況などを確認する理由をきちんと伝える(配属先や担当業務を決めるため、働きやすいよう職場環境を整えるため、職場でのサポート体制を整えるため)。
 ・職務遂行や職場生活において「できること」「制限があること」「配慮が必要なこと」の視点で確認する。
 ・時間に余裕を持って回答を急がせない。
 ・採用後に企業に配慮・支援してほしいこととその理由を確認する。
 ・その人が持つ人間としての魅力を引き出すという姿勢で臨む。

<面接での質問・確認項目(基本)>

○障害について
 ・障害の状況
 ・治療の必要性・内容、通院・服薬の状況
 ・必要な配慮事項・支援が必要な内容
○職業生活関連
 ・希望する仕事
 ・仕事を行う上でのアピールポイント
 ・仕事に関するスキルの習得状況(専門知識、機器などの操作、パソコン操作、運転免許など)
 ・コミュニケーション方法(メール・電話・会話、聴覚障害者の場合は口話・手話・筆談)
 ・出張、異動の可否
 ・通勤方法(自家用車・自転車・公共交通機関の利用)や職場内の移動方法、配慮事項
 ・通勤経路と時間
○支援機関
 ・採用後の支援機関による支援内容(ジョブコーチ支援などの職場定着のための支援や定期的な面談、要請に応じて相談にのるなど)
 ・これまでの支援機関による支援の状況(本人の同意を得た上で支援機関からも聴取する)
 ※留意事項
  障害特性(受障の経緯等を含む)や配慮事項などについては、社内に広く周知されることを望まない人、社外の人や支援機関に知られたくない人もいることから、社内に周知する内容や範囲について、必ず本人、必要に応じて家族と確認し、同意を得ることが必要です。

 継続的にハローワークを含む支援機関から支援を受けている人の中には、自身の障害特性や経歴、できること、配慮が欲しいことなどを整理したシート(就労パスポート、自己紹介シート(ナビゲーションブックなどの名称もある))を作成している人もいますので、本人からの提出があれば、履歴書と合わせて確認するとよいでしょう。