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改善事例 20070303

改善目的

職務再設計

改善テーマ

金属熱処理工程における重筋作業の作業負担軽減

改善内容

 職務再設計

 金属製品の熱処理主要工程のうち最も作業負荷が高い工程は「歪み矯正」であり、熟練高齢者にとっても負担が大きく改善を行った。

  1. 「厚みのある丸型製品」の歪み矯正作業は工程の中パイプレンチによる締付作業が最も負担が大きいため、支援機器を用い作業負担の軽減を図った。まず矯正が必要なものと必要でないものに選別する「平面度測定支援装置」を設計、さらに矯正が必要なものについて「自動供給プレス支援装置」を設計した。平面度測定支援装置によりワークのレンチでの締付け、持ち上げ、移動時の作業を大幅に削減することが可能となった。自動供給プレス支援装置により、NGとなったワークの歪みの締付による矯正は既存の自動供給プレスを改善し自動での矯正作業を可能にした。その結果特別なスキルが必要なくなり、重筋作業の負担もほぼ無くなったため、高齢者も扱える作業となった。
  2. 「厚みのない丸型製品」の歪み矯正作業は、製品に上型を被せ仮締めを行う時間が最も長い。そのため「厚みある丸型製品」にて改善した自動供給プレス支援装置を利用し、プレス型を作成、吸着マグネットの調整をした結果、歪み矯正作業が可能となった。改善前は全数を治具に固定し仮締めした後にパイプレンチで締付矯正を行ったのに対し、改善後は締付矯正自体が無くなり高齢者の作業負荷が軽減した。
  3. 「凹凸のある丸型製品」は高温のワークに指先で歪み矯正を行うため火傷の危険がある。加圧している合間に歪みを矯正する必要があり、さらに矯正失敗すると修正不可能となるため作業者のストレスが大きい。そのためプレス機を10tから35tに変更し、加圧力を保持、ヒーター、ヒーター加熱板、制御盤を取り付けることで、400度以上の長時間高温の保持を可能とした。また安全のため冷却装置を設置した。その結果歪み矯正を手で行う必要がなくなり、重筋作業が軽減、危険が減少し、高齢者にも行える作業となった。
  4. 「小判型製品」の歪み矯正作業は重いレバーを何度も引きおろし、同時に細かい針の目盛りを4点読み取らなければならず、身体的負担と精神的ストレスが大きい。そのため油圧プレスを原理とした矯正装置を設計した。ワークを差込むと位置決めができるワーク固定ブロック及び矯正位置の加減の設定ができるストッパーセンサーにより、身体的な負担を必要とせず、経験による特別なスキルを持たない高齢者も従事できる工程となった。

産業分類

01 金属製品製造業

実施企業名(所在地)

日高工業株式会社(愛知県)

研究実施年度

2007年(平成19年度)

従業員数(研究実施当時の人数)

135人

研究年報