3.募集活動・社内支援の準備 (7)設備改善・安全対策

Q 設備改善、安全対策はどのようにしたらよいでしょうか?

A 安全対策のためにも、採用した障害者に合わせた設備改善を行うことで、働きやすい環境を整備することが大事です。

設備改善

主に身体障害者が安全に働きやすいように改善(バリアフリー化)することが必要ですが、改善を行うことは身体障害者だけではなく他の障害者、さらには全社員にとっても有効です。
ただし、社内のすべてを早急に改善することが難しい場合もあります。本人ともよく話し合い、必要なところから改善を行うことが必要です。

身近にできる改善

経費や時間をあまりかけずに改善できる例もあります。
・階段の目印や通路の動線にテープを貼る。
・通路にある荷物などを整理して通路のスペースを確保する。

視覚障害者が認識しやすいように階段にテープを貼った画像

視覚障害者が認識しやすいように階段にテープを貼る

社員の協力

例えば車いす使用者の場合、駐車場から職場の建物まで屋根がないなど、設備がまだ整備されていない場合は、雨の日は社員が同行し、傘をさすなどの協力を行う。

休憩室の確保

身体的または精神的な疲労が蓄積したときに休む場所として、休憩室または休憩スペースを確保する。

設備改善(バリアフリー化)の箇所の例
 バリアフリー化の箇所  内容
 玄関など出入口 ・車いす使用者には段差解消のためにスロープなどを設置します。
・スロープの設置が難しい場合は、簡易スロープ(携帯スロープ)を使うこともできます。
・車いすを使用していない下肢障害者の中には、かえってスロープが使いづらい場合もあり、階段と併用した方がよいでしょう。
・車いすを使用していない下肢障害者の場合、段差の大きい場所に踏み台や手すりを設置するとよいでしょう。
 出入口と扉 ・肢体不自由者にとっては扉が開き戸の場合、開閉時に身体をかわしにくく、開けづらいので、引き戸の方が望ましいでしょう。
・扉の幅は車いす使用者、両杖使用者が通ることを考慮する必要があります。
 トイレ・洗面所 ・通常のトイレのスペース(1畳程)では車いす使用者の使用は困難ですが、介助が必要でない歩行困難者であれば、手すりを付けることで使用可能となります。
・車いす使用者が使用するにはトイレスペースの横幅を広くとる必要がありますが、現行の2つの便房を1つにして間仕切りを撤去することでスペースを確保する方法があります。
 駐車場 ・車いす使用者の場合、車を降りたあと玄関入口まで危険・負担がないよう、駐車場所に配慮します。できれば降雨時を考慮し、屋根のある駐車スペースが望ましいでしょう。
・車の乗降の際、車いすの出し入れを考慮し、運転席側は余裕のあるスペースを作ることが望ましいでしょう。
設備改善の例

スロープの設置

車いす用トイレ

屋根付き駐車場

設備改善等にかかる助成金の活用(障害者雇用納付金制度に基づく各種助成金)

障害者作業施設設置等助成金

スロープの設置、トイレの改造など、障害者の障害特性による課題を克服するための施設または作業設備の設置・整備を行う費用の一部に対して助成します。


重度障害者等通勤対策助成金

住宅の貸借、住宅手当の支払い、駐車場の貸借など、通勤を容易にするための措置を行う場合に要する費用の一部に対して助成します。

これらの助成金は企業からの申請に基づき予算の範囲で支給決定されるものです。
支給要件や支給額、支給期間または支給回数の限度がありますので、都道府県支部高齢・障害者業務課(東京・大阪は高齢・障害者窓口サービス課)と相談することが必要です。

安全対策

作業機械の周りに囲いを設けて、危険な領域に身体の一部が入らないようにガードしたり、センサー式の安全装置を取り付けて危険を軽減したりするなどの一般的な安全対策のほか、以下のように障害特性に応じた配慮を行うことが必要です。

職場の環境整備

視覚障害者や肢体不自由者だけではなく、全社員の安全のためにも、通路の荷物などの整理のほか、台から物が落ちないか、危険な物が片付けられているかなどについても定期的に確認することが必要です。
また、視覚障害者や肢体不自由者の場合、座席を出入口の近くに設ける、トイレや更衣室などにも行きやすい場所に設けるなどの配慮も望まれます。

緊急事態への対応の確認

火事や地震などの緊急事態が起きて避難が必要となったときのために、本人への伝達方法、避難経路について十分に周知しておくとともに、個別の誘導などが必要な人に対しては避難における担当者を決めておくことが必要です。
伝達方法には、声かけやメールのほか、緊急事態を知らせるカードなどの備えつけ、パトライト(回転灯)の設置などの方法があります。

パトライト(回転灯)

障害者に対する安全のための配慮

  • てんかんなどで治療を受けている人の場合は、本人の同意を得た上で発作や調子を崩したときの対応、職場で働くときの留意点、連絡先(主治医、家族など)などについて把握しておくとよいでしょう。
  • 通勤における朝夕の公共交通機関の利用は、視覚障害者や肢体不自由者をはじめとする障害者にとって負担も大きく事故につながる可能性もあるため、必要に応じて時差出勤などの配慮を行うことが必要です。

当機構ホームページの「障害者の健康に配慮し安心・安全に働けるように取り組んだ職場改善好事例」のページには、安全面に配慮した事例を掲載していますので、参考にしてください。

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