刊行物の紹介(メールマガジン第117号)
【高】「産業別高齢者雇用推進ガイドライン」を発行しました
高齢者に能力を発揮し続けてもらうためには、産業ごとに、労働力の高齢化や経営環境、求められる労働の性質、形態などに違いがあるので、各産業の状況に沿って取り組むことが効果的です。
機構では、こうした背景をもとに産業別高齢者雇用推進事業を行っており、同事業を産業別団体に委託することにより、産業別団体が中心となって高齢者雇用の課題とその解決に向けた提案を「ガイドライン」として取りまとめ、その内容を各団体会員企業などに普及しています。
令和4年度は、以下6業種のガイドラインを策定しました。機構のホームページ上で公開していますので、ぜひご覧ください。
1 とび・土工工事業(一般社団法人日本鳶工業連合会)
「とび・土工工事業 高齢者がバトンをつなぐ未来のガイドライン 人生100年時代!活躍の場・生きがいを求めて!」
とび・土工工事業界には、慢性的な人員不足や若年層の入職減少の課題があります。しかし、職人の仕事は野外作業が中心で高所作業もあり、事故防止の観点からだれもが第一線の職人として年齢にかかわりなく働き続けることはむずかしいのが事実です。
このような背景のもと、本ガイドラインでは、高齢職人の活躍を推進しながら企業の発展を進めていくために、取り組むべき九つのポイントを紹介しています。
2 機械土工工事業(一般社団法人日本機械土工協会)
「機械土工工事業における高齢者活用推進のためのガイドブック 高齢従業員の活躍と若手従業員の定着に向けて」
さまざまな建設機械を扱う機械土工工事業は、建設業のなかでも従業員が高齢になっても活躍できる業界です。
本ガイドラインでは、高齢従業員と若手従業員のコミュニケーションに着目しています。若手従業員と高齢従業員の協業、高齢従業員から若手従業員への技能技術の継承をすすめるうえでは両者のコミュニケーションが重要です。高齢従業員と若手従業員のコミュニケーションのコツや、お互いの得意・不得意を補完し合って協業している事例などを多く紹介しています。
3 建設基礎工事業(一般社団法人全国基礎工事業団体連合会)
「建設業基礎工事における高齢技能労働者の活躍ガイドライン」
現在の建設基礎工事業界は慢性的な技能労働者不足に陥り、技能労働者の補充・雇用に苦慮しており、社内の高齢者の継続雇用・再雇用は、今後の企業存在を左右する重要課題といえます。
高齢技能者の雇用推進のための職場改善に関する企業向けアンケートを実施し、基礎ぐい工事現場部門の「高齢者雇用に関する現状・活用、および生活基盤と今後の対策・方向性」に関してガイドラインにまとめました。
4 鉄リサイクル業(一般社団法人日本鉄リサイクル工業会)
「鉄リサイクル業 その経験、活かせます!ベテランの活躍が鉄リサイクル業の未来を拓く」
鉄リサイクル業界にとって、生涯現役社会の実現に向けた環境整備はますます重要な課題になっています。
5 歯車製造業(一般社団法人日本歯車工業会)
「歯車製造業 高齢者の活躍に向けたガイドライン~シニアの技を次世代にバトンタッチ、皆が活躍できる職場作り~」
少子高齢化のなか、歯車製造業界で長年つちかってきた技術や技能、知識や経験を持つ高齢者は企業の競争力の源泉です。また、その高齢者が業界の将来をになう若手や中堅の人材育成に貢献できます。高齢者の力で歯車製造業の「今」そして「将来」を強くするために、高齢者の実力を錆び付かせない取組み、60歳を超えても意欲を衰えさせない仕組みづくりが企業に求められています。
6 食品リサイクル業(一般社団法人全国食品リサイクル連合会)
「食品リサイクル業 高齢者の活躍に向けたガイドライン」
食品リサイクル業は比較的新しい業界のため、生え抜きの社員が定年を迎えていない会社もある一方で、人手不足の影響で高齢化が進んでいる業界でもあり、他業種での定年後に雇用されている高齢者が多いのが特徴です。
◆お問合せ先◆
雇用推進・研究部 産業別雇用推進課(TEL:043-297-9530)
【障】職場適応促進のためのトータルパッケージ 伝達プログラムのご紹介
障害者職業総合センター研究部門では、認知機能に配慮を要する方々を対象とする職業リハビリテーションの支援技法とそのためのツール群「職場適応促進のためのトータルパッケージ」(以下、「TP」)を開発・展開し、就労系福祉サービスの拡充にともない市販化をしました。また、各種ツールを使用した専門的支援を実施していただくために、TPの理論的知識を実践に活かす研修が必要と考え、伝達プログラム(表1)を開発しました。
(表1)伝達プログラムの内容
項 目 |
内 容 |
構成(全3回)
|
第1回「アセスメント」 |
初期の支援であるアセスメント場面での実践に必要とされるポイントを解説 |
第2回「作業訓練」 |
中・長期的な作業訓練場面で必要とされるポイントを解説 |
第3回「セルフマネージメント」 |
支援対象者が自律的・自発的に作業に取り組むためのトレーニングに必要なポイントを解説 |
所要時間 |
各回3時間程度、合計9時間程度 |
参加人数 |
1回あたり5~7名程度 |
形式 |
講義および事例検討・意見交換 |
注)これは研究開発(2021年)時に行ったプログラムで、実際には受講者ニーズに合わせて適宜内容等を調整していただくことも可能です。
さらにTPの導入時の補助資料として「トータルパッケージ学習テキスト」や「職場適応促進のためのトータルパッケージツールを活用した実践事例集」等も作成しましたので、これらを組み合わせて、多様化、複雑化する就労支援の現場で、TPを介した支援をされる際にご活用ください。
※トータルパッケージ学習テキストの詳細は以下よりご覧ください。
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai75.html
※職場適応促進のためのトータルパッケージツールを活用した実践事例集
https://www.nivr.jeed.go.jp/research/kyouzai/kyouzai76.html
◆お問合せ先
研究企画部 企画調整室
(TEL:043-297-9067 E-mail:kikakubu@jeed.go.jp)